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8月15日付のフジサンケイ ビジネス アイ「総合/新興不動産の苦境深刻 資金繰り悪化と販売不振が直撃」より。


タイトル通りの記事で総合・新興不動産の苦境を書いた後、不動産経済研究所の7月の首都圏マンション市場動向の発表を受けて以下のように書いてある。


「販売不振は、不動産会社が在庫処理を優先し新規発売を抑えていることに加え、資材高騰による建築費上昇で着工を手控える動きが強まっていることが原因だ。さらに同研究所では「新興不動産の相次ぐ破綻で業者への不安が高まっていることも一因」と指摘する。」


こんなことを書いておかしいと自分たちで気づかないのであろうか?


まとめると、以下のようなことが書いてある。


結論 7月の首都圏マンション市場動向で販売不振になっている
原因1 不動産会社が在庫処理を優先し、新規販売を抑えている
原因2 資材高騰による建築費上昇で着工を手控える動きが強まっている
以下 省略


原因1の「在庫処理を優先し、新規販売を抑えている」から販売不振だというのか?ならば、「新規販売を優先し、在庫処理を劣後させれば」売れるというのか?


「新規販売を抑えている」とは、そもそもその分、売ってないのである。売っていないことを販売不振というのか?


では、イチロー選手が、「打席に立たない」ならば、その理由がどうあれ、打撃不振になるのだろうか?


原因2も同じだ。販売不振の前にそもそも売っていないのである。(供給してないということ)


「販売不振」とは、「売り出しているのも関わらず、思ったよりも売れていない」ということなのだ。「売っていない」ことを、販売不振とは言わないのである。


勉強して試験を受けて、成績が悪ければ「成績不振であろう」。しかし、「試験を受けていない」人のことを「成績不振」とは言わないのである。


では、同じマンション市場動向を受けて他の新聞はどう書いているのだろうか?


毎日新聞「価格が上がりすぎ、購入しにくくなったことが最大の要因だ。さらに、不動産業者の倒産が相次いだため、購入希望者の間で、物件が確実に引き渡されるか、購入後にきちんと管理されるかといった不安も広がったとみられる。」


全く正しいだろう。(取引を成立させるには)価格が高いから売れないのである。「売ってないことが販売不振」などと馬鹿なことは全く書いていない。


同じ、フジサンケイグループから産経新聞「建設資材費の上昇などによる価格の高止まりが販売不振につながり、発売戸数の減少が続いている。ここ数カ月、不動産・建設業界の倒産が相次いでいることも消費者心理を冷え込ませ、販売不振に拍車をかけたとみられる。」


これもフジサンケイビジネスアイのようなお馬鹿は書いていない。


まったくもって読んでいるこっちが恥ずかしくなるが、これが経済総合専門紙(Wikipedia)だそうだ。

 

 

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