THES - QS World University Rankings
( )の中にプラスマイナスのついた数字は前年比を表す
2007年
017位 東京大学(旧制帝大)(06 19位)(+2)
025位 京都大学(旧制帝大)(06 29位)(+4)
046位 大阪大学(旧制帝大)(06 70位)(+24)
090位 東京工業大学(06 118位)(+28)
102位 東北大学(旧制帝大)(06 168位)(+66)
112位 名古屋大学(旧制帝大)(06 128位)(+16)
136位 九州大学(旧制帝大)(06 128位)(-8)
151位 北海道大学(旧制帝大)(06 133位)(-18)
161位 慶応大学 (06 120位)(-41)
180位 早稲田大学 (06 158位)(-22)[国内第10位]
197位 神戸大学(06 181位)(-16)
209位 筑波大学(06 269位)(+60)
212位 広島大学(06 244位)(+32)
273位 長崎大学(06 277位)(+4)
284位 千葉大学(06 303位)(+19)
318位 昭和大学 (06 407位)(+89)
331位 群馬大学(06 252位)(-79)
335位 首都大学東京 (06 346位)(+11)
345位 岐阜大学(06 322位)(-23)
354位 横浜国立大学(初登場)[国内第20位]
364位 東京理科大学 (06 468位)(+104 )
364位 大阪市立大学 (06 232位)(-132 )
377位 岡山大学(旧第六高等学校)(06 450位)(+73)
386位 熊本大学(旧第五高等学校)(06 232位)(-154 )
403位 金沢大学(旧第四高等学校)(06 303位)(-100 )
403位 横浜市立大学 (06 354位)(-49)
420位 一橋大学(06 314位)(-106 )
432位 三重大学(06 250位)(-182 )
451位 新潟大学(06 395位)(-56)
466位 鹿児島大学(旧第七高等学校)(06 378位)(-88)
[国内第30位]
484位 お茶の水女子大学(06 362位)(-122 )
401-500位? 東海大学(06 322位)※
505位 立命館大学 (06 528位)(+23)
517位 埼玉大学(06 520位)(+3)
521位 青山学院大学 (06 459位)(-62)
544位 同志社大学 (06 472位)(-72)
※東海大学の2007年の順位は不明。BTJジャーナル(2007年11月号)や昭和大学、横浜国立大学のHPによるといずれもランキング入りしていない。順位が記載されているブログや掲示板はあるが順位がまちまちとなっている。
(1)THESとは
THES(The Times Higher Education Supplement)は、英国のTheTimes紙系列の、世界でトップクラスの権威のある教育専門誌(週刊)であるという(佐藤学 東京大学教育学部教授の評価)。この専門誌が2004年から毎年、500位前後までの大学ランキングを発表している。専門家による「ピア・レビュー」,企業採用担当者による「リクルーター・レビュー」など、以下の6つの項目で評価された結果である。
(1)研究者による大学評価(40%)
(2)教員一人あたり論文引用数(20%)
(3)雇用者が採用したい学生の出身大学(10%)
(4)外国人教員比率(5%)
(5)外国人学生比率(5%)
(6)教員数と学生数の比率(20%)
この6項目は、評価の一貫性を保つために前回と同様に設定されているが、評価方法をさらに錬磨するために、たとえば、(1)研究者による大学評価では、以前よりも広い学問分野から、さらに多くの研究者の意見を聞いたり、(2)教員一人あたり論文引用数では、評価期間を過去10年から過去5年に縮めたりと、公平性や現在性を志しており、また過去の実績ではなく、現時点での大学の質をできるだけ公平に評価するために、ノーベル賞やフィールズ賞などの受賞者数は評価の対象にしないなどの処置がなされているという。
しかし、依然として英語圏の大学に有利なこと、また理学系の大学の評価が高くなることなどの問題点も、総論のなかで指摘されている。
さらに、問題点として、「評価基準も年々変化しているなど、調査項目の妥当性、評価のウエートにも疑問や問題が見受けられる。本年に関しては、算定方法のみならず、たとえばCitation per Staffの論文引用数を判定するデータベースを米Thomson社のESIから蘭エルゼビア社のScopusに変更するなど、大きな変更点もあり、この順位変動が、直ちに各大学の実力の変動に連動するとは言いにくい。」(北海道大学研究戦略室の分析評価 2008年1月8日)と指摘している。
(2)指摘
・旧制帝大、旧制高等学校でもナンバースクールを主な前身とする大学はすべてランキング入りしている。
・東京大学についての長崎大学学長の分析
「東京大学が世界17位となっているが,東京大学の順位を17位にとどまらせている最大要因がまさに学生総数に対する留学生比率の低さだ。研究成果の数値はランキング1位のハーバード大学と遜色ないが,留学生のところになるとかなりの格差が出ている 」(2007年12月1日)
・東北大学の意気込みは特筆すべきものがあり、「10年後に世界トップ30位以内」に入る「世界リーディング・ユニバーシティ 」を目指す、「井上プラン2007」を発表している。
「井上プラン2007」とは、井上明久総長就任に伴って設置された総長室を中心にとりまとめられた、2007年度を初年度とする東北大学アクションプランである。
・早稲田大学は、現在の自らを「200位グループ」と想定し、10年後に「情報推進化プログラム」(2006-2014年度)で世界TOP100,アジアTOP10を目指している。
・一橋大学も相当にこのランキングを意識しており、「世界大学ランキングと一橋大学の競争力」というシンポジウムを開催し、このランキングの分析や他大学の動向の情報収集をしている。他大学の広報の内容やランキングの採点の仕方の細部まで徹底的に検討するなどして、一橋大学らしく、きわめて戦略的な検討を行っている。HPでランキング入りを発表している大学の中でここまでの分析をおこなって、それを公開している大学はほかにはない。
それによると、
「早稲田、慶応は素早く対応し、ロンドンTHES社に役員を送り込み、説明に出向いて、独自の対策をしレベルアップを図った 」
「鹿児島大、法政大、日大等もランキングに入るべく努力している」
「京大・東工大・大阪大は余裕で売り込み競争をしている」
「東京外語大・ICU・東京芸大は退出しオンリーワンを目指している 」
「評価された大学は医学部を持つ大学が目立つ」
・一方で、筑波大学は教育研究評議会の中で、副学長からの報告があり、「各部局等において、多元的な大学評価のひとつとして参考にして欲しい」という程度であり、かなり距離を置いたスタンスである。(感想 ランキングに固執せず、あくまでも我が道を行き、そしてしっかりランキングにも入っている。ただし、他にもランキング入りしながら、このランキングにきわめて冷淡な大学は多い)
・一般に、前年(2006年)よりランキングを落とした大学はランキングについての発表をしていない。しかし、北海道大学は発表しながらも、冷静な反応をみせている。
・長崎大学の健闘が目立つ。
「(THES-QSは)教員数や学生数が多い大学が有利になるような指標をできるだけ排除しようとしているところに特徴がある」
「長崎大学より上位にきているのは全て学生数1万人を超える大規模大学であり,所在地が大都市である」
外国人学生比率も評価の項目ではあるが、
「留学生用宿舎の数が足りないうえ,留学生の利便性に配慮した住居の確保が困難を極めている。さいわい,長崎大学を含む長崎県下の大学は(株)長崎自動車をはじめ,民間から宿舎について多大なご支援をいただいている。しかし,長崎大学に留学したい,という世界各国の学生を受け入れようとすれば,宿舎がまったく足りないのが現状である」(長崎大学学長のメッセージ 2007年12月1日)
・横浜国立大学は初のランキング入りであるが、2007年の7月11日(水)から13日(金)までQS社主催の「第3回アジア国際教育者会議」(香港)に職員を派遣している。これ以前に、こういった目立った活動は確認できなかったことからすると、対応は遅かった。しかし、これを契機にランキング入りしたことを考えると、QS社の調査もあまり当てにならない。評価をする側があまり積極的な調査を行っているとはいえない。
関連記事「2008タイムズ世界大学ランキングを考える」(bloquenote.blog.shinobi.jp/Entry/41/ )
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