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以下は、情報公開法により公開された、FBIの「秘密」文書である。この文書は、FBIのホームページから誰でも簡単に入手することができる。この文書に限らず大量のUFO関連文書が公開されている。


以下の文書の(xxxxx)の部分は、黒塗りにされていて判読不能である。


TELETYPE
7-8-47 6-17PM
FBI DALLAS
DIRECTOR AND SAC, CINCINNATI
URGENT


テレタイプ
1947年7月8日 午後6時17分
FBI ダラス支局
長官およびシンシナティ支局長
緊急

FLYING DISC INFORMATION CONCERNING.

UFO情報関連


(xxxxx) HEADQUATERS EIGHTH AIR FORCE,TELEPHONICALLY ADVISED THIS OFFICE THAT AN OBJECT PURPORTING TO BE A FLYING DISC WAS RECOVERED NEAR ROSWELL, NEW MEXICO, THIS DATE.


(xxxxx)第八空軍司令部より当支局に電話連絡があり、空飛ぶ円盤と思われる物体が当日、ニューメキシコ州ロズウェルの近郊で回収された。


THE DISC IS HEXAGONAL IN SHAPE AND WAS SUSPENDED FROM A BALLON BY CABLE, WHICH BALLON WAS APPROXIMATELY TWENTY FEET IN DIAMETER.


この円盤の形状は六角形をしており、ケーブルで観測気球に吊されており、その観測気球は、直径はおよそ20フィートだった。


(xxxxx) FURTHER ADVISED, THAT THE OBJECT FOUND RESEMBLES A HIGH ALTITUDE WEATHER BALLOON WITH A RADER REFLECTOR, BUT THAT TELEPHONIC CONVERSATION BETWEEN THEIR OFFICE AND WRIGHT FIELD HAD NOT BORN OUT THIS BELIEF.


さらに、発見された物体は、レーダー反射板のついた高層用気象観測気球に似ているが、司令部とライトフィールド空軍基地との電話では、この考えは支持されなかった。


DISC AND BALLOON BEING TRANSPORTED TO WRIGHT FIELD BY SPECIAL PLANE FOR EXAMINANT INFORMATION PROVIDED THIS OFFICE BECAUSE OF NATIONAL INTEREST IN CASE.


円盤と気球は検査のため特別機でライトフィールド基地に空輸されており、情報は、万が一に備えて国益の観点から当支局に通報された。


(xxxxx) AND FACT THAT NATIONAL BROADCASTING COMPANY,ASSOCIATED PRESS, AND OTHER ATTEMPTING TO BREAK STORY OF LOCATION DISC TODAY.


NBC,APや他のメディアが現在の円盤の所在の情報を公表しようと試みている。


(xxxxx) ADVISED WOULD REQUEST WRIGHT FIELD TO ADVISE CINCINNATI OFFICE RESULTS OF EXAMINATION.


連絡したきた(xxxxx)は、ライトフィールド基地に対し、検査結果をシンシナティ支局に連絡するよう要請するつもりである。


NO FURTHER INVESTIGATION BEING COSULTED.


これ以上の捜査は協議されていない。


驚くべきことに、これが矢追純一氏の訳(「矢追純一のUFO大全」矢追純一・著 リヨン社 2006年)ではこうなる。


「長官およびSAC(戦略空軍司令部)宛て シンシナティ発緊急。
-空飛ぶ円盤情報・・・関連-
第8空軍司令部より本局に、以下のような電話報告がはいった。
空飛ぶ円盤と思われる物体が本日、ニューメキシコ州ロズウェルの近郊で回収された。・・・さらに通報があり、発見物体はレーダーの反射板をつけた高層を飛ぶ気象観測用の気球に似ているが、軍当局とライトフィールド基地との電話交信によれば、観測用の気球ではないとの答えだった。円盤と気球は検査のため、特別機でライトフィールドに輸送中である。
この事件は国として注目に値するので、本局に連絡があった。・・・NBC、AP、をはじめとするマスメディアがUFOの行方を追跡中だ。・・・さらに通告があり、ライトフィールドに出向き、調査結果をシンシナティのオフィスに命令せよとのことだ。
署名 ウィリー
」(87ページ)


どこが違うかというと、拙訳で赤色で強調されている部分の訳がなぜか、矢追訳では欠落しているのである。それは、回収された物体の形状に関する部分である。なぜか「・・・」ですませている。


この部分を訳してしまうと、ロズウェルでUFOが回収されたする説にとっては、マイナスになると考えて意図的に欠落させたとしか思えない。


だいたい、第8空軍からの通報者は、観測気球に似ているが断定はできないと率直に語っている。はじめから、軍がUFOであることをごまかす気なら、高層用気象観測気球だと連絡してしまえばよかったのではないだろうか?


これは、いわれているように、ロズウェル近郊に墜落した物体は、ソ連の核実験を探知するというモーグル計画の観測用気球だと考えるべきだったのではないだろうか。


極秘だったために、第8空軍は知らずに、高層用気象観測気球のようだが断定できないといったのではないか。


ただし、ロズウェル事件を肯定する人々が主張するように、この時期のモーグル計画の活動記録がないのなら、ロズウェル近郊で回収された物体が、モーグル計画の気球であることは、やはり否定されるべきだと私は思う。


それは、UFOの存在が確証がない以上、否定されるべきであるのと同様で、この結論を採るのであれば、モーグル計画の気球説はやはり否定されるべきである。
当時の書類が紛失しているなどというのは児戯に等しいくだらぬいいわけで科学的に考える態度ではない。


しかし、この文書の内容からは、少なくとも回収された物体は、後に軍で採用される用語となるUFOではなく、何らかの気球であるといっていいと考えられる。上にも書いたが、第8空軍のFBIに対する姿勢は誠実で率直だ。軍の機密を盾にして、FBIには介入しないよう一方的に通告してもよかったはずだし、それどころか、ライトフィールド空軍基地に検査結果をFBIにも知らせるよう要請するとまで言っている。無論、モーグル計画の気球であるならば知らされることはなかっただろう。


信じがたいことではあるが、気球に吊された円盤を見て「空飛ぶ円盤」を発見したと騒いだマーセル少佐とかいう人物はよほど思いこみが激しく、感情的な人物だったのだろう。しかし、現代のマスコミにはこういう輩がいっぱいいるから、アメリカ空軍に一人いても不思議はあるまい。


ロズウェル事件は以前から、UFO研究家どころか、UFO肯定派の中でさえ真偽をめぐって長い間論争されてきた。本当に不毛な議論だと思う。


UFO研究家は、こんなロズウェル事件やMJ-12といったセンセーショナルなだけの事件を追うのではなく、もっと情報源の信頼性や情報の内容を冷静に検討するといった地道な活動が必要なのではないだろうか?


たとえば、軍は、UFOを敵国の飛行機やミサイルとも分離し、一般国民ならばUFOと思うような未知の新型飛行機までも分離して定義している。


そして、国家としてUFOは存在しないと決定している。


それにもかかわらず、アメリカはおろか世界中の(それもソ連も含めて)UFO目撃情報を秘密裏に収集してきたことは情報公開された文書から明らかだ。


FBIの秘密文書と比べてDIAの秘密文書は少ない上に黒塗りの部分が多い。FBIの文書は主に通報者の名前を黒塗りにしているだけだ。


国家の安全保障に影響がないのになぜ隠すのか、こういった点を追究していくべきなのではないだろうか。


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