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2010年世界大学トップ200については関連記事「2010QS大学ランキングを考える
bloquenote.blog.shinobi.jp/Entry/51/をご覧ください!


0.はじめに

 

この記事は、このブログの筆者の私見を述べさせていただくにあたって、加藤哲郎 一橋大学教授の「THES/QSランキングにみる一橋大学とLSE」という資料を主なベースとして、2008年3月の名古屋大学国際協力推進本部国際企画室「名古屋大学ベンチマーキング報告書(II)」(第2章 THES-QS 世界大学ランキングから見た名古屋大学の傾向と課題について)等を参考にさせていただいて作成しています。

 
 

下記以外の参考にさせていただいた資料や情報源については、文中に記載しております。

 

参考資料

[1]米沢彰純「世界的大学競争時代における日本のトップ大学の運命」
[2]加藤哲郎「THES/QSランキングにみる一橋大学とLSE」
[3]服部誠 「一橋大学の国際戦略とアウトリーチ」
[4]太田浩 他「ディスカッション」
[1]~[4]は一橋大学国際戦略本部「シンポジウム 世界大学ランキングと一橋大学の競争力 報告書」(2008年3月)に収録


[5]名古屋大学国際交流協力推進本部国際企画室「名古屋大学ベンチマーキング報告書(II)」(2008年3月)


[6]日本私立大学協会付置私学高等教育研究所「世界大学ランキングの比較」(2005年3月)


[7]エルゼビア・ジャパン社報道発表(2007年11月15日)(※)

 

(※)エルゼビア社とは、科学・技術・医学関連情報の製品およびサービスを専門とする世界トップクラスの学術出版社であり、オランダのアムステルダムに本社を置くグローバル企業である。

 

1.世界大学ランキングのはじまり

 

世界大学ランキングは2003年の中国の上海交通大学のランキングによりはじまった。中国の国家主席であった江沢民が、自分の出身校である上海交通大学に、中国の科学技術水準を調べさせて、世界で競争できる可能性のある大学に研究資金を集中投資するためのものであった。これが、中国国内の大学再編のきっかけになったという。[2]



実際に、ランキングを作成したのは、上海交通大学の劉念才 氏であり、彼自身が、何度も元は中国向けだった、国内向けであった、と話しているという。世界トップ大学と中国の大学の差を示すためにつくられたランキングであり、中国の大学が評価が高くならないように設定されているというのである。中国がまだ世界水準でないことを示すために好都合だからである。[1]



したがって、上海交通大学の世界大学ランキングは、主に中国国内向けのランキングであり、中国の大学を発奮させるとともに、予算を獲得するためであろう。また、中国の科学技術政策の一環としておこなわれているものである。



大学の研究分野についても自然科学に重点が置かれており、ノーベル賞、フィールズ賞を重視している。「Nature」や「Science」の引用も重視している。このため日本の一橋大学、東京外国語大学等は単科大学扱いであり、はじめから、評価の対象になっていないのである。[2]

 

こういうわけで、
上海交通大学の世界大学ランキングは、中国国内の大学に向上意識を持たせるためのものであり、かなり自然科学の研究成果に特化したランキングであるから、このランキングに入っていないからといって、あまり日本の大学が気にする必要はないし、マスコミや日本国内の大学に進学しようとする受験生もこのランキングにヒステリックになってはならないのである。

 

あくまでも中国国内の科学技術政策の一環であるから、ランキングが低いからといって、気にする必要はない。むしろ気にしてはならないのである。中国の政府と大学だけが気にしているものである。

 

だいたい中国の発表するデータは経済指標にしても世界的にも中国国内においても信用されていないのだから、日本をはじめとする他国は気にしてはならないのである。



さて、問題となるのは、2004年から始まったTHES-QS(タイムズ)世界大学ランキングである。これは、THES(The Times Higher Education Supplement)という週刊の高等教育分野の新聞と、QS(Quacquarelli Symonds)という会社がWebサイトで発表するとともに書籍として刊行しているものである。[2]

 

THESを発行しているのは、THE(Times Higher Education)という会社であり、1971年に設立され、全世界の大学に関する週刊誌を発行している。現在ではロンドンタイムズとの提携関係はなく、TSL Education Ltd.という名称を経て、現在の社名になっている。 [5][7]

 

佐藤学 東京大学教育学部長(当時)によるとTHESは、The Timesの別冊(当時)で高等教育に関しては世界でトップクラスの権威のある雑誌だという。(2004年12月14日東京大学記者発表より)

 

また、QS社というのは、ビジネスキャリア・教育分野で世界有数であり、職業、教育関係のイベント、出版、研究等をおこない、高等教育とキャリア選択に関するコンサルティングサービスを提供している会社である。世界中の大学の学生、卒業生、MBA、エグゼクティブのコミュニティを企業などの採用担当者や教育サービス提供者とつなげる活動をおこなっている。もともとイギリスで留学生案内とビジネススクールのランキングを作っていたが、THESがやっていた国内ランキングを世界ランキングに拡張する際にQS社からデータをもらって始まった。[2][5][7]

 

さて、ではなぜ、世界大学ランキングをはじめたのか?画一的な指標を全ての大学に適用するのは危険であり、自然科学中心、英語圏有利のバイアスがかかるが、世界にニーズがあるからやるというのである。[2]

 

そのニーズというのは、留学生市場にある。2003年現在に世界で300万人であった留学生が、2010年には580万人になり、アジアからの留学生はそのうちの3分の2になると予測されているのである。現在の世界の留学生の供給源になっているのは、中国、インド、韓国、日本であり、前2ヵ国が非常に大きいウェイトを占めている。その留学先は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、日本であるという。[2]

 

太田浩 一橋大学准教授の見解では、世界大学ランキングには二つの側面があり、ひとつは、純粋に大学を評価しようという側面があり、もうひとつが留学生をリクルートするときの、ツールとしての側面であるという。大学間の世界的な競争の中で、大学のランキングや研究力を上げるには、レベルの高い大学院生を獲得することが重要になっており、特にインド、中国の優秀な人材の確保にあると考えておられる。[4]

 

2007年1月12-13日に東京で特定非営利活動法人海外留学生安全対策協議会(JCSOS)主催の「世界大学ランキングセミナー」に京都大学をのぞく日本の主要大学の代表者が集められ、そこで、QS社が、今回の来日の目的を、アジア学生市場、とりわけ上海交通大学ランキングに対抗して中国人留学市場へのTHESランキング普及のためと明言したということである。[2]

 

2.世界大学ランキング競争に参加するかがまず問題

 


一番はじめに問題となるのがこれである。
おや?世界大学ランキングというから、世界中の大学を精査してランキングを発表しているのではないかと思われるかもしれないが、実は違うのである。

 

当初は、2004年の時点でトムソン引用索引登場大学から日本の大学のうち35大学がピックアップされ、ランキングにリストアップされたのである。

国立
東京、京都、大阪、東京工業、九州、名古屋北海道、東北、神戸、熊本、広島、三重、群馬、筑波、長崎、千葉、金沢、一ツ橋、岐阜、お茶の水、鹿児島、新潟、岡山、埼玉

公立 
大阪市、首都、横浜市

私立
慶応、早稲田、東海、昭和、青山学院、東京理科、同志社、立命館

この後、毎年改訂され単科大学、大学院大学をのぞく世界有力500大学を評価しているのである。ただし、自己申告、クレームの制度があり、リスト外の大学も参加することが可能である。加藤哲郎教授によると、現在、ランキングに入っていない大学でも、文部科学省が採択した国際戦略校や21世紀COE拠点採択校はすべて、全てリストアップ有資格校であるというのである。[2]


 
したがって、
インターネット上では、よく「○○大学がランキング入りしているのに××大学は入っていないのはおかしい」といった疑問が表明されているが、それはおそらくはランキングに参加していないからなのである。



関西には、関関同立という4つの名門私立大学があるが、そのうち、毎年2校しかランクインしていない理由の一端もここにある。決して、残り2校が、衰退しているとかそういうことではない。ランキングに入っていないからといって勝手に思いこんではならないのである。



ただし、日本大学、法政大学は上述のセミナーにおいて参加の意向をはっきりと表明したということである。どちらも、加藤教授の分析から考えると十分ランキング入り可能な大学である。いずれの大学も21世紀COEに採択される研究力がある上、日本大学は、医学部がある(医学部があると相当有利、詳細は後述)。[2]



 桜美林大学の馬越教授(参考文献[1]には非常に曖昧に書いてあるが、おそらく馬越 徹教授だと思われる)の分析によると、トップ大学の中にアジアの大学が激増している中で、日本の大学の数はここ数年あまり変化がみられない。つまるところ、アジアでの日本の大学の存在感は、相対的に低下しているといわざるを得ない。と分析されているという。[1]



馬越 教授の意図はこれだけではよくわからないが、たしかにここ数年、日本の大学のランキング校の数は変化がみられない。しかし、それは、日本の大学のレベルが低いからではなく、日本の大学の多くが世界大学ランキングに参加していないために起こっているのである。


 
実は、ここに重大な疑念がある。2008年7月28日(月)、東京医科歯科大学の第二回難治疾患研究所教員研修が開催された。中西章教授(当時)が「データが語る東京医科歯科大学の実力」というタイトルの講演をおこなった。同大学における研究等の客観的な評価について、分析や提言がおこなわれたのである。これは実にさまざまな角度から東京医科歯科大学の実力を分析されたすごいものであるが、ほんのわずかだけ世界大学ランキングにもふれているところがある。

 


「国際的認知度の現状

大学の国際的認知度を計測する適切な尺度は見あたらないが、英国タイムズ社の高等教育サプリメント(THES)が、5000人の大学関係者に相互評価(ピアレビュー)と自己評価を行わせた結果を毎年国際大学ランキングとして発表している。この調査は一部にピアレビュー方式を採用しているので、大学の国際的な知名度とパフォーマンスの尺度として活用する。

□しかしながら本学は総合評価で上位200位以内に位置づけられていない。単科大学でも東工大が90位に現れていることを考えると、海外から本学の存在がビジブルでなく評価対象に名前が挙がらないということを示唆しているように見受けられる。同じことはライフサイエンスおよび生医学の分野の大学ランキング調査の結果からも伺えるところである。

□省略

□これらの既存の世界大学ランキングは、本学の知名度を高めるというよりもむしろ損なう方向に作用するものと考えられるため、大学の規模ではなくパフォーマンスの質によって評価するシステムの導入が急務である。」(中西章「データが語る東京医科歯科大学の実力」2008年7月)(青色の文字は原文どおり)

 
 

この資料からいえることは、少なくとも、平成20年7月28日現在でもなお、東京医科歯科大学は、世界大学ランキングに参加するには自身で申告する必要があることをどうやら知らないらしいということである。これが間違いないとすると、東京医科歯科大学は、重大な問題を抱えているということになる。ランキングに載りたければ、自己申告すればいいのである。実際、同じ医科系大学の昭和大学や、単科大学(のような)の一橋大学や東京工業大学もランキングに出ているのだ。

 

昭和大学については上述の2007年1月12-13日のセミナーでも単科大学がランキング入りしているということでクレームが出たらしい。[2]

 

しかし、昭和大学は、現在でもランキング入りしているし、自身を「医系の総合大学」と名乗っている。専門商社の中でも「○○(分野について)の総合商社」と名乗っているところが結構ある。昭和大学にはどうも世の中をうまく立ち回っていける相当の切れ者がいるようだ。当然、立ち回り方によっては順天堂大学や、東京医科歯科大学もランキング入りが可能なはずだと思う。

 

中西教授(当時)はお医者様ではなくて、新医療技術の医療経済効果分析が研究テーマであるから、医者の世界のことしかご存じないということはない。また、中西教授(当時)の名誉のために書いておくが、中西教授(当時)のセミナーのテーマは大学ランキングのことではない!ほんのごくごく一部で東京医科歯科大学の現状を測定する一方法として採りあげているにすぎない。落ち度があるわけではないのである。この点を間違えてはならない。
私が重箱の隅をつついただけである。

 

ただし、私が問題にしている世界大学ランキングへの日本勢の対応
という問題の中では重大な問題である。

 

そして、もっと重大な疑念がある!じつはこの、2008年7月28日(月)、東京医科歯科大学の第二回難治疾患研究所教員研修では、文部科学省研究振興局学術機関課長の勝野頼彦氏が「附置研改革の現状について」という講演を行われているほか、実は、中西教授(当時)は、7月末をもって退職され、文部科学省に戻られたのだ。もともと文部科学省官僚なのである!当日、文部科学省官僚が二人もいてこのセミナーでの資料にもなんの訂正もないし、第二回難治疾患研究所教員研修 報告記(
http://www.tmd.ac.jp/mri/e_5_2.html)にも何も書かれていないことからすると、文部科学省も「世界大学ランキングに日本の大学のランク入り大学数が増えない理由は、日本の大学が、ランキング入りするには自己申告しないといけないということを知らない」ことを知らないのではないだろうか!

 

複雑になったが、私が疑念として持っているのは、
(1)日本の大学の多くは、世界大学ランキングに入るには自己申告が必要なことを知らない
(2)文部科学省は、上記(1)の問題点の存在を知らない
ということである。
あくまでも疑念である。しかし、これが正しいとすると、少なくとも多くの大学がこのことを知らないで、日本の大学のプレゼンスを低下させているとしたら、日本の国益にとって重大な問題があると思う。日本にはトップ500に入れる大学がいっぱいあるのである。

 

ただ、そうだとすると、毎年、タイムズ世界大学ランキングにランキング入りする大学が、35,6大学にとどまっていることに説明がつくと思う。(もちろん他の日本の有力大学が、参加するか迷っている可能性もあるが、始まって4年も経って迷っているというのは情けない!その間、どんどんプレゼンスを低下させているのだ)


 
ランキング入りを志願した大学が今まで、前述の日本大学、法政大学と横浜国立大学しか確認できない。しかも、このうち、ランキング入りできているのは、2008年現在で、横浜国立大学だけである。


 
さて、ここで、横浜国立大学関係者の皆様方にお詫びしなくてはならないことがある。私は以前、関連記事「今さらながら2007タイムズ世界大学ランキングを考える」bloquenote.blog.shinobi.jp/Entry/13/で、2007年にはじめてランキング入りした横浜国立大学の対応の遅さを批判するようなことを書いてしまった。(そのままにしてある。)が、これは誤りであったというほかはない。


 
実は横浜国立大学は、このタイムズ世界大学ランキングに対し、日本の大学の中では、迅速に対応し、かつ適切に対応できた(つまり、ランキング入りを果たした)、確認できる限り唯一の大学なのである。この点に関してはお詫びいたします。

 

3.世界大学ランキング競争から退出した大学の問題点

 

この世界大学ランキング競争に参加しないと決めて独自の道を模索する大学も存在している。それは、東京外国語大学、ICU(国際基督教大学)、東京藝術大学である。[2]

 

もちろん、そういう選択もあっていいと思う。世界大学ランキング競争に参加するにはどうしたらいいかわからない大学や、参加するかどうかについて迷って、何年も無為無策となっている大学よりも遥にましだと思う。間違ってはならないのは、これらの大学は大学間競争をしないというわけではない。ランキングに組み込まれた価値観に縛られずに、独自性を発揮して、生存競争を生き延びようとしているわけである。

 
これらの大学のとった選択を非難するつもりは全くない。しかし、これらの大学のとった選択は賞賛されるとしても、その具体的な行動には重大な問題があると思う。

 
それは、これらの大学のいずれもが、「世界大学ランキング競争に参加しない」と公に発表していないということである。この不作為は重大なミスであると考えられる。

 
どうしてか?それにふれる前に、筑波大学の動向を述べておきたいと思う。それは、上に書いた重大なミスの原因は、他のランキングに参加している大学にもみられるからである。筑波大学は、国内の大規模総合大学である、広島大学や神戸大学と比べても、世界大学ランキングに対して非常に冷淡であった。

 
その姿勢は、筑波大学の第47回教育研究評議会(平成19年12月20日)における吉武博通副学長の発言にはっきりとあらわれている。


 

「8世界大学ランキングについて

吉武副学長から、報告資料8に基づき、THES(The Times Higher Education Supplement)、上海交通大学及びNewsweek誌による世界大学ランキングのそれぞれの特徴、評価の指標等の分析結果について報告があり、各部局等において、多元的な大学評価の一つとして参考にしてほしい旨の付言があった。」(筑波大学 第47回教育研究評議会議事録)

 
 

この吉武博通副学長の世界大学ランキングに対する見解は誰が考えても(少なくとも冷静に客観的に物事を考えることのできる人間からみれば)、百点満点の解答であろう。私もこの見解は全くの正論であると思う。

 
しかし、残念ながら現実の世界には、こういう正しい見解が否定されなくてはならないことがおうおうにして存在するのである。そして、約10ヶ月を経て、筑波大学は、この見解に立脚する立場から、大きく転換することになると思われる。(そうでないなら、世界大学ランキングは筑波大学にとって災厄となるであろう)

 
平成20年10月23日(木)、第61回役員会において、おそらく現代の日本の大学が現実に置かれている状況を最も正確に反映していると思われる見解が吉井毅 監事によって表明されるのである。

 


「[議事における意見等]
1、2 省略

3.監事からのコメントとして、吉井監事から、大学ランキングが、学生が大学を選ぶ際の指標になることもあり得るので、本学構成員が危機感・一体感を持って、ランキング向上のための具体的な方策を検討する必要がある旨の意見があった。

また、同監事から、本件に関連して、社会や企業の本学卒業生に対する評価、及び卒業生の本学に対する評価についても重視していく必要がある旨の意見があった。」(筑波大学 第61回役員会議事録)

 


どこに問題があったのだろうか?それは、今までの大学側の、「大学ランキングに対する考え方」が、「大学と大学ランキングとの関係」だけに限定されていたことに問題があったのである。 
 
 
ところが現実には、大学に進学を希望する受験生や、大学のOBOGも大学ランキングを見て物事を判断してしまう。彼ら(あるいは彼女ら)と大学ランキングとの関係にも気を配らなければならないのである。
 

もしこれらの関係者が、吉武副学長をはじめとする大学の先生方のように冷静に客観的に物事を見てくれるというのであればいいのであるが、マスコミというヒステリックな、感情的なフィルターを通して多くの人は大学ランキングにふれるので、現実には吉武副学長の見解が是とされなくなっているのである。


さらに、平成20年11月20日(木)、第57回教育研究評議会において、「議事における意見等」として岩崎学長より発言があった。

 


「[報告]
4 学長から、世界大学ランキングに一喜一憂する必要はないが、同ランキングは留学生が大学を選ぶ際の指標になる場合もあり得るので、全ての分野の評価で200位以内に入る等の目標を立てるなどして、教育研究力の向上に努めていく必要がある旨の発言があった。」(筑波大学 第57回教育研究評議会議事録)

 


吉井監事の発言からすると全くといっていいほど、危機感はないが、筑波大学も相当な方針転換をするであろうと期待できる発言である。


岩崎学長の発言どおりで、上述の通り、タイムズ世界大学ランキングは、一般的な意味での「世界大学ランキング」ではなく、本当は「留学生にやさしい世界大学ランキング」とでも名乗るべきものなのである。だから、留学生が、タイムズ世界大学ランキングをとおして、筑波大学をどう見るかということに、筑波大学は神経を使う必要があるのは正しいが、これだけではまだ現実に即した見解ではない。


ちなみに、上にあげた筑波大学の吉井毅 監事は、もともと社団法人日本監査役協会会長であった方だが、その前には、新日本製鐵株式会社代表取締役副社長、新日本製鐵株式会社常任監査役を歴任された方であり、製鉄業界の厳しい世界競争の中で生きてきた戦略家なのである。

やっと、話を元に戻す。では先の3大学(東京外国語大学、ICU(国際基督教大学)、東京藝術大学)の「世界大学ランキング競争に参加しない」と公に発表していないという不作為がなぜ悪いのか?

それは、これらの大学が、受験生や卒業生も大学ランキングを見ているということを忘れているからだ。これらの人たちは、大学ランキングに、東京外国語大学がランクインしていないのを見れば、「東京外国語大学は名門という評判だけど○○大学より世界的評価は低いのか」と考えてしまう。それだけで大学にとってはダメージになるはずだ。

 
しかもこのようなダメージをすでに、少なくともICUは被っているのである。その実例をYahoo!知恵袋 様より引用させていただく。

 


「世界大学ランキングについての疑問
earthman157さん

世界大学ランキングについての疑問

英国の有名なタイムズ誌が出した最新版の世界大学ランキング(THES)についてなんですが、なぜ日本の大学の中で私立の青学や東京理科大が入っているのにICUや上智や中央・法政・立教などが入ってないんですか?
特にICUはかなりレベルが高いのにランクインされていないのはなぜですか??
御手数ですが教えて下さい。
よろしくお願いします。

 

ベストアンサーに選ばれた回答
romanempirepart2さん

日本でのランキングとそれとは基準が違うためでしょう。

日本では、普通、大学院に進む人も少ないこともあり、大学の入学難易度、学生の満足度、就職率などを基準にランキングを出すことが多いと思います。

有名なタイムズ紙などのランキングでは、大学の教育と研究の質、大学の国際性(学生と教授の国籍がどれだけバラエティに富んでいるか)などを基準としているように思えます。

このような基準から言えば、日本の私立大学はなかなかランクインできないのではないでしょうか。もちろん国立大学でも、大学院が貧弱で、研究力の弱い大学はランクインは相当難しいでしょう。

」(Yahoo!知恵袋)


(Yahoo!知恵袋
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1411021924?fr=rcmd_chie_detail より引用させていただいた)

 
 
 
なんにも知らないで勝手な思いこみ、憶測で判断する人がいることは残念であるし、非常に腹立たしいことではあるが、これが、現実なのであり、これに対応しなくてはいけないのである。

 
世の中には、「世界大学ランキング競争に参加しない」と公に発表していないから、「ICUは世界大学ランキングにランキング入りできない」と勝手に考えてしまう者もいるのである。

 
これは、ランキングを利用せずに大学の名声を高めていこうとする大学には非常に大きいダメージになるだろう。



当のICUは、タイムズ世界大学ランキングについては黙殺したままである。2008年12月10日発行の学報「ICU」(第23号)において、「特集2 全国大学満足度ランキングで総合満足度1位に」を掲載しており、さまざまな国内の大学ランキングに言及しているが、タイムズ世界大学ランキングには一切言及していなかった。


アメリカでも「大学ランキングの一人歩き」は問題となっており、「Chronicle of Higher Education」には、大学ランキングそのものを評価するという記事が出たそうであり、2007年の春には、リベラルアーツ系の大学24校の学長が大学ランキングに不満を表明し、情報公開もしないが、掲載もしないようにと表明したということである。[3]



さて、この節では、世界大学ランキングから退出した大学の問題点を扱うと書きながら、都合で筑波大学の動向を扱った。それは、当たり前のことではあるが、退出した大学と世界大学ランキングについての情報はほとんどないからである(ただし、東京外国語大学は、世界大学ランキングについての分析そのものはおこなっており、そのことはホームページで確認できる)。代わりに、きわめて冷淡だった筑波大学を(つまり、冷淡であることが退出したことに近似できると考えて)題材にして話を進めたので、筑波大学についてもうひとつ書いておく。

 
たしか、雑誌「現代思想」かなにかの座談会で、「日本の大学は大学間競争のせいでたいへんな状況にある」というような趣旨の発言が識者からなされていたと思う。しかし、それが全くのでたらめであることは、関連記事「もっと大学間競争を-静岡大学大学院入試から」(bloquenote.blog.shinobi.jp/Entry/30/ )で、いかに日本の大学が脳天気か書いておいた。

 
残念ながら、日本の大学の先生方にはいまだにこういうまったく、現実世界に対応できない人がおり、それがあまりにもひどいのでついでにここで筑波大学における実例を採りあげておく。

 
話はさかのぼるが、筑波大学では、平成20年2月15日(金)、第22回経営協議会でも世界大学ランキングが採りあげられていた。以下は、ある出席者の発言である。

 


「5「世界大学ランキング」について
(吉武副学長からの付言を省略)
委員から、上海交通大学のランキングのように、ある特定の雑誌への論文掲載を評価の指標とするようになると、各大学は評価をあげるために、ある程度そうした雑誌を重視せざるを得なくなるが、その結果、国内の学会誌等に有力論文が投稿されなくなる状況を招く恐れがあることに留意するべきである旨の意見があった」(筑波大学 第22回経営協議会議事録)

 
 
 
この発言をした委員は何を考えているのであろうか?この会議は、経営協議会である。筑波大学の経営をどうすべきか、筑波大学が実績を積み重ねて発展していくにはどうすべきかを考える会議である。

 
なぜ、筑波大学の発展を犠牲にして(つまり、結果としての世界大学ランキングの向上を犠牲にして)まで、国内の学会誌の議論を活発にする必要があるのであろうか?

 
この委員は何もわかっていない。世界大学ランキングのせいで、ある学会が衰退するとしたら、それはその学会自体が発展するにはどうしたらいいか考えなくてはならないことであり、筑波大学が犠牲になって、その学会を維持する必要などあろうはずもない!

 
たしかに衰退していく学会はあるかもしれない。しかし、それはその学会がそれこそ死力を尽くして、存在意義を見いだし、発展させていくべきことなのだ。そしてどうしても存在意義を見いだすことができないのであれば、なくなった方が社会のためなのである。


筑波大学が犠牲になってその学会を支えたら、その学会は全く改善する必要がなくなってしまう。この委員のようなばかげた偏ったものの考え方が、日本の学会、大学の発展を阻害しているのである。

 
このようなレベルの低い委員が経営協議会に参画していること自体が、「日本の大学は大学間競争のせいでたいへんである」ということがでたらめであることの証拠である。

 

 





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